完璧執事の甘い罠


「でも、俺はお前を守れなかった。だから、俺も騎士として失格だ」

「そんなことない!ノエルは!ずっとそう言ってる!」




さっき終えたはずのやり取りをもう一度繰り返す。



「お前だって、そうやって俺のこと認めてくれてんだろ」

「認めてるよ。ノエルが訓練頑張ってるのも、騎士として誇りを持ってやってるのも、知ってるから」

「同じだよ。俺がお前に思うことも」



同じ?
ノエルの表情がいつになく優しく。



「お前が姫として頑張ろうとしてるのも、寝る間も惜しんで努力してるのを俺だって知ってる」

「ノエル・・・」

「そういう努力を俺だって認めてんだよ」



嬉しい。
他の誰でもなく、ノエルにそう言ってもらえることが、こんなにも嬉しい。




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