完璧執事の甘い罠


「城の周りも、まだ通ったことのないところが多いんだね」

「城は、広いですから」




気分転換にとお城を散歩したいと言った私をジルは連れ出してくれた。
城の周りを散策しているだけでも少し気分は変わる。

さっきはとても綺麗な中庭を通った。
たくさんの花が植えられ目を惹かれるものがあった。


今通っている何気ない道だって、綺麗に整備され雑草一つない。
とても手入れが行き届いている。



こういうのも、ジルが指示したりするのかな。
そこまではしないのかな。



凄いな・・・。
いろんな人たちの手が入れられてこの城は成り立っているんだろうな。




国の象徴。
それがどれだけ名誉なことなのか。
どれ程重圧のかかることなのか。



きっと私はまだ全部理解できていない。



「どこを見ても、とても素敵」

「気にいっていただけ、光栄です」




ジルはそう言って恭しく頭を下げた。




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