完璧執事の甘い罠
「ようこそ、シーエン王国へ。私はシーエン王国第二王子エリック=カルマンと申します。以後お見知りおきを」
「初めまして。アルバーナ王国王女のひなと申します。お出迎えありがとございます」
シーエン王国へ到着すると、エリック王子が出迎えてくれる。
綺麗な金髪で穏やかそうな優しい顔つきだけど、凛とした力強い意志を感じる瞳。
「王女に会えるのを心待ちにしていたんですよ」
「あ、ありがとうございます」
「こんなに美しい方だなんて、お会いできてよかった」
「そんな・・・。美しいなんて」
サラリと褒め言葉が出てくるなんて、慣れてるんだろうな。
私はといえばそんな事言われ慣れていないから戸惑ってしまう。
「夜までしばし時間があるので部屋を用意しているのでそこで休んでいてください。長旅お疲れでしょう」
「はい。ありがとうございます」
受け答え間違っていないよね、とチラチラとジルを確認する。
ジルはいたって冷静に頭を下げ側に控えていた。