完璧執事の甘い罠


いろんな人とあいさつを終え、ダンスパーティーへと移行した。
誘われるままにダンスを踊る。

優雅な音楽に乗せ身体を動かす。
覚えたてのダンスを何とか思いだし男性のエスコートに合わせてドレスを翻しながら踊った。



いけない・・・。
フワフワする。

あとどれくらいでパーティーは終わるのだろう。
しっかりしなくちゃ。




「姫、私と踊っていただけますか?」

「エリック王子・・・。はい」




曲が終わり、辺りがざわつくとエリック王子が私のもとにやってきて丁寧にお辞儀をして誘ってくれる。
私は笑顔を作って頷くと差し出された手に自分の手を乗せた。

エリック王子は、私の手をそっと見つめるとなにやら考え込んだ様子で私の手をぎゅっと握った。



「踊りは少し休憩にして、少し私と話をしませんか?」

「え・・・?でも、いいんですか?」

「もちろん。皆は各々楽しまれていますし。私たちは私たちで楽しみましょう」



そう言われて手を引かれるままホールを後にする。
外気に触れ、少し気分がまぎれる。


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