完璧執事の甘い罠
なんだろう、王子さまってこんな風にサラリとかっこいいことを言ってしまうような人ばかりなんだろうか。
言われて照れるようなことばかり。
「僕の前で気取る必要はない。ほら、休んで」
「・・・あの、ありがとうございます」
「君みたいな素敵な人が姫だなんて、僕は嬉しいんだよ。君と仲よくなりたいんだ」
爽やかすぎる、絵本の中から飛び出した王子さまみたい。
でも、この人は本当に本物の王子さまなんだ。
私は、そんな世界にやってきたんだ。
そういう世界で、生きていくんだ。
「ありがとうございます」
私はしんどさもあって、お言葉に甘えて少し休ませてもらうことにした。
休憩するつもりで少し目を閉じると、うっかりとそのまま眠りに落ちてしまっていた。