完璧執事の甘い罠
側にいてほしいのは
私はふと目を覚ました。
淡い光の中、天井が見えてここはどこだろうと一瞬わからなくなる。
「目を覚ましたみたいだね」
「え・・・?エリック王子?」
「熱が出ていたんだ。気分はどう?」
心配そうに顔をのぞかせてエリック王子は言う。
ずっと、付き添ってくれていたの?
それに、私エリック王子とテラスにいたはず。
ここまで運んでくれたの?
「今は、もう・・・」
「そっか。よかった。疲れが出たのかな」
「あの、すみません。ずっと付き添ってくださってたんですか?」
「ああ、気にしないで。僕がそうしたくてしたんだから」
本当に優しい人。
王子さまみたいだけど、王子さまじゃないみたい。
なんだかうまく言えないけれど。
「ありがとうございます。すみません。エリック王子もお疲れなのに」
「なんてことないよ。言ったでしょう?そうしたいからしたんだって」
エリック王子は笑って言った。