完璧執事の甘い罠
でも、馬車が攻撃されたということは、とても危険な状況なの・・・?
怖くなって目をあけるのが憚られる。
それでも、ちゃんとこの目で確認しなくちゃ。
だって、私はアルバーナ王国の姫で、王位継承者でもあるんだ。
そう心を奮い立たせる。
でも、目をあけたときすぐにそれを後悔してしまった。
「な、にこれ・・・」
辺りには、一緒にアルバーナに帰っていた騎士たちが血を流して倒れていて。
見慣れない武装したたくさんの人たちが武器を手に私たちを囲んでいた。
ノエルが私たちとその者達の間に駆け寄り私たちを庇うように剣を構えた。
ノエルの防具も、血に濡れて赤く染まっていた。
それは、ノエルの血なのか、それとも・・・。
そう考えるとぞっとして血の気が引く。
こんな場面目の当たりにするのなんて初めて。
怖い思いはこの世界に来て何度か経験した。
それでも、こんなの・・・。