完璧執事の甘い罠


「俺に口答えする女か・・・面白い」

「口答えなんて・・・」



怖くて、必死なだけ。
体はこんなにも震えてる。



「お前を俺様の嫁として迎え入れよう」

「えっ!?嫁!?」

「そろそろ身を固めようと思っていたところだ。それがアルバーナの姫君というのは、願ったりな話だ」

「アルバーナとダリウス王国は敵対しているはずでしょう?」

「だからだ」



クロードは踏ん反り返り、まじまじと品定めをするように私を見た。



「お前を手に入れれば、アルバーナを手に入れたも同然。そうだろう?」

「あなたの好きにはさせないわ」

「ほお。お前に何ができる?」



鋭い視線が私を刺す。
私は震えるのを悟られないように力強く睨み返す。




< 187 / 357 >

この作品をシェア

pagetop