完璧執事の甘い罠
「俺に口答えする女か・・・面白い」
「口答えなんて・・・」
怖くて、必死なだけ。
体はこんなにも震えてる。
「お前を俺様の嫁として迎え入れよう」
「えっ!?嫁!?」
「そろそろ身を固めようと思っていたところだ。それがアルバーナの姫君というのは、願ったりな話だ」
「アルバーナとダリウス王国は敵対しているはずでしょう?」
「だからだ」
クロードは踏ん反り返り、まじまじと品定めをするように私を見た。
「お前を手に入れれば、アルバーナを手に入れたも同然。そうだろう?」
「あなたの好きにはさせないわ」
「ほお。お前に何ができる?」
鋭い視線が私を刺す。
私は震えるのを悟られないように力強く睨み返す。