完璧執事の甘い罠
「ひな様は、のぼせられたのですよ」
「のぼせ・・・た?」
あ・・・、そうだ。
私は豪華な湯船に浸って・・・え・・・。
それって・・・。
「ミ、ミ、見たの!?」
ガバッと起き上ると、くらっとたち眩んで再びベッドに沈む。
チラリと身体を見ると、バスローブのようなものを着せられていた。
「私は、ひな様の執事です。必要に駆られればそういう事もあります」
「そ、そういうのって、女の人がしてくれるんじゃないの?ほ、ほら、メイドさんとか・・・。確かに、今回はのぼせてたみたいだし、運んだりするのは女の人じゃ無理だろうけど・・・」
そうだよ。
身の回りのお世話って、メイドみたいな女の人がしてくれるものだと思ってた。
執事っていう存在だって知識的にはあったけど・・・。
「メイドはおりますが、ひな様につける予定はございません」
「な、なんで・・・」
「必要ないと私が判断しました」