完璧執事の甘い罠
どこかで、願ってた。
ただのハッタリで、嘘だったらいいなって。
でも、現実はそう簡単にはいかないんだ。
私は紙をぎゅっと握りしめた。
残りの日々をどう過ごそう。
気まずいままのジルとの関係。
元どおりに戻りたい。
せめて、前の関係に。
私が、変わらなきゃ。
せめて最後の日までは笑顔でいたい。
笑顔を覚えていてほしい。
自分の気持ちを封じて、最後まで笑っていよう。
ジルが望むのなら姫という立場のままで。
できるよね。