完璧執事の甘い罠
サーっと青ざめていく。
そんなこと、全く気がつかなかった。
きっと、アルバーナの誰も。
どういう経緯で働き始めたんだろう。
こんな風に敵国の人間が入り込んでいたなんて。
「なにか入り用なものはございますか?」
「エリシアちゃん、どうして・・・!?」
「なにもないようならまた後ほどお伺いしに来ます」
「エリシアちゃん!」
エリシアは私の言葉に反応を示さず、そう言って出て言ってしまった。
どうして・・・。
どうして、じゃないよね。
きっと、もともとこっちの人間だったんだ。
エリシアちゃんがこちらにいるってことは、もうアルバーナは安全なのかな。
もしかして、他にも潜入している人がいるのかな。
どうしたらいいの。
お願い。
みんなになにもありませんように。