完璧執事の甘い罠
争いの足音は、私のもとまで聞こえるようになった。
アルバーナが押しているのか、窓の外を見ると遠くで爆発が起きたり人の軍勢が動くのが見えるようにまでなっていた。
それ程近くまで来ているという事。
アルバーナが勝っているのならまだいいのかもしれないけれど、危険な事には変わりない。
無傷でいることの方が奇跡なのかも・・・。
不安ばかりが募っていく。
私は不安になって、状況をどうにか確認しようと部屋を抜け出した。
私にできることなんて、なにもないかもしれない。
それでも、せっかく敵地にいるのだから私にできることを。
ジッとしてなんていられない。
幸いなことに、ある程度の自由は与えられていた。
他の階にはいけないけれど、与えられた部屋がある階は自由に出入りすることができる。