完璧執事の甘い罠


もし、アルバーナの騎士たちが助けに来てくれたとしても。
きっと、クロードは手渡したりなんかしない。

あの言葉の通り。
いっそのこと、目の前で私を殺すだろう。



強欲で、強情な独裁者。




「ならば、どうすれば・・・」

「ありったけの爆薬を用意しろ。城の大砲を機能させる」

「し、しかしあれはまだ、試作段階で!」

「今使わずいつ使うというのだ。さっさとしろ」




大砲・・・?
そんなものがこの城にあるの?
でも、試作段階って・・・。


未だ、完成してないってこと。
それを使おうとするほど追いつめられている。


私は、もしかしたら本当に、殺されてしまうかもしれない。



そんなの、絶対に嫌だけど。
もし、抗えない運命なら。


最期にジルの姿を見たかった。




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