完璧執事の甘い罠


私は手当たり次第部屋に入り、なにか使えそうなものを探した。
簡単に、殺されたりなんかしない。


あいつの手にかかるくらいなら。



どれくらい時間はあるだろう。
アルバーナ王国はどこまで攻め入ってるんだろう。


ジルは?ノエルは?
皆は、無事・・・?



でも、もう。
私にはそれを確かめる手立てはない。




ある引き出しを開くと、探していたものを見つけ、それを懐に隠した。




その時、ドゥンという爆発音と共に地響きがする。
立っていられなくなりその場に座り込む。



いったい何が・・・。




「大砲・・・!?」



もしかして、もう!?
こんな早く・・・。



私は慌てて窓際に行くと窓から外を覗き込んだ。
浄化の一部が煙をあげている。




「ひどい・・・」




酷い、あんな・・・。
国民だっているはずよ。
それなのに何のためらいもなく。



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