完璧執事の甘い罠

そして、ついに私とノエルは城門を目の前に息をのむ。



後ろでは、我が国の騎士たちが剣を交え戦っている。
馬から降り、その隙間をすり抜けてここまでやってきたのだ。



ダリウス王国は今躍起になっている。
大砲を使い攻撃を仕掛けてきていたがそれもやみ、今は城の様子はここからではわからない。


押されている今、なにを起こすかわからない。




｢急ぎましょう！」

｢ああ｣




ひな様を、必ず救い出す。
それだけを胸に。



あれから。
新人として入っていたメイドの姿が消えたことに気づいた。
よくよく調べると、経歴のすべては全くの嘘。


それに気づけなかった我々のミスだ。



その後見つけたのは、ひな様の自室の鏡台の引き出しに入っていた一通の手紙。