完璧執事の甘い罠


「争いがあるってことは、今の土地だけじゃ満足できないってこと?」

「その国境には、そこでしか取れない物資が豊富にあるのです。その物資の運用権を互いに欲している状態ですね」

「物資のため・・・」

「今は、丁度半分その土地を分け合っている状態に落ち着いていますが、ダリウス王国は少しでもその領土を広げようと考えているようです」




国の利益のためにってことだろうか。
物資が多いということは、それを使って商売ができ、お金が流れてくるってことで。
そういう権利が得られるってことはそれだけ国が満たされるってこと。

国を良くするためには少しでも多くの土地、多くの物資を得る必要があるってこと。




「ダリウス王国を率いているのは、まだ若き王クロード=オーバン、御歳はまだ29歳」

「29歳で、一国の王」

「はい。実力あっての事でしょうが、それ程若い王は初めての事です」





ふぅん、と唸りながら地図を見下ろす。




「シーエン王国の王は、ギル=カルマンとおっしゃいます。この先お会いすることもあるでしょう」

「・・・ふぅん」




ふぅん、しか出てこない。
だって、ほんとに興味なんてないんだもの。




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