完璧執事の甘い罠
「ひな様!落ち着いてください、お身体に障ります!」
「だって、やなの。もう少し、このままがいいの」
我儘を言っている。
そんなことわかってる。
ジルさんが心配して言ってくれていることも。
でも。
もう少しだけ、感じていたいの。
ジルさんが私を想ってくれるこの時を。
この暖かさを。
感じていたいの。
「おねが・・・はぁ・・・はぁっ・・・」
もっと・・・。
それなのに。
視界が歪む。
息苦しい。
「ひな様・・・っ!」
心配を、かけたいわけじゃないの。
ううん。本当は、そうなのかな。
心配してくれていることを感じていたいのかな。