完璧執事の甘い罠
「ひな様。なにを言っているんですか。終わるわけありませんよ。楽しい時間なら、これから先何度でもやってきますから」
「え・・・」
「話をしたいのであればいつでも呼んでください。私だけではつまらなければノエルでも、他の者でも誰でも用意いたします」
ジルさんは私の目線に合わせるようにしゃがむと暖かくそう言った。
「我々は、皆ひな様を大切に想っています。それは、主だからではなく、ひな様がこれまでここで暮らし、築き上げてきた関係なのですよ」
「私が・・・」
「誰もが、皆ひな様の味方です。信じられず受け入れられないかもしれませんが。それだけは、誓えます」
響いてく、想いが。
きっと、本当だ。
ジルさんの言っていることは、すべて真実だって信じられる。
「楽しい時を、いくらでも共に過ごしましょう」