完璧執事の甘い罠



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夢を見た。
見覚えのある中庭。



ここは、この間ふらっと立ち寄った城の中庭だ。



少し先に誰かがいる。
誰だろう・・・。



私は意を決して近づいた。



背を向けているその人は私か近づくとゆっくりと振り向いた。





え・・・。





それは、もう一人の私だった。






「ねぇ、あなたは知ってる?どうして私は大事なネックレスをジルさんにあげたの?」





目の前にいる私になぜかそう問いかけた。
目の前の私は、小さく微笑むと囁くようにこう言った。




「――知りたいの?」





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