完璧執事の甘い罠
「じゃあ、そのままでいて。様付けとか、敬語とか使われなれてないの。だから・・・」
「だから、あんたには従わねえっていったろ。俺は、ジルがそうしろと言えばそれに従う」
なにそれ、この人もジルの手の内ってこと?
ジルのことは信用していて言うこときくわけ?
なによそれ・・・。
味方かと思って期待して損しちゃった。
「じゃあいい。さよなら」
「はあ?」
「敵になんて用はないから」
「敵ってなんだよ!?」
「ここにいるのは、私にとって敵なの!」
私が来たかったのはこんな世界じゃない。
なんてそんなこと言ったって意味はないし。
私はすぐにでもお母さんたちのところにいきたいんだ。
そうだ。
だから私は。
「じゃあね、私。急ぐから」
ノエルにそう告げ私は歩き出す。