完璧執事の甘い罠
なんだか、疲れちゃった。
ここに戻って来れて嬉しいはずなのに。
自室に戻ると私はベッドに倒れこんだ。
傷跡が疼くように痛い。
頭がぼんやりする。
もしかして、熱が出る前触れかもしれない。
寝てしまおう。
嫌なことも、辛いことも、ごちゃごちゃした感情もすべて寝て忘れてしまいたい。
どうして思い出してしまったんだろう。
戻って来なくてよかった。
どうしようもないこんな感情。
ただ、辛いだけ。
それなのにどうして、思い出してしまったんだろう。