完璧執事の甘い罠
「許される時まで・・・側にいさせてもらってもいいんでしょうか」
「いてほしい。私が、いてほしいって思ってるの」
ジルが側にいてくれるためなら、私はなんだってする。
どんなことだって、するんだから。
「ひな様・・・。愛しております。心から・・・」
「ジル・・・」
何度夢見た事だろう。
ジルに愛される。
なによりも私が、望んでいたもの。
「ジル・・・。抱きしめて」
「・・・はい」
ジルがそっと私の身体を抱き寄せる。
優しい温もりが私を包み込んだ。
「傷の痛みは大丈夫ですか?傷口、開いてしまったのでしょう?」
「ん・・・。でも、大丈夫。なんだか、痛みも吹っ飛んじゃった」
「そうですか」
ふっ、と落とすように笑う息遣いが耳元で聞こえる。
ジルはずいぶん感情豊かになった気がする。
最初はまるでロボットみたいだったもん。