完璧執事の甘い罠
「私の方こそ、ごめんね・・・」
「なぜ、ひな様が謝るのですか?」
「この傷も、あの場所に行ったのも、全部全部自分のせいなのに・・・。ジルに責任を感じさせてしまって」
それが最善だと思った。
ジルたちを護れるならって。
私にはああする方法しか思いつかなかったの。
「・・・せっかくひな様が戻って来たというのに、いつまでもこれではお辛いですね」
「え・・・」
「私が責任を感じてしまう事で、ひな様が悲しげな表情になってしまうのは、本意ではないんです。ひな様には笑っていてほしいですから」
「ジル・・・」
「楽しい話をしましょう」
ジルの言葉に私はコクリと大きく頷いた。
この時間を大切にしたい。
ジルが好き。
大好き。
「ジルの好きなところ、言っていこうか?」
「え?それなら私もひな様の好きなところいくらでもあげられますよ」