完璧執事の甘い罠
「・・・好きっつーか。あいつとは歳も近いし、ほとんど同じくらいにここに入ったからな。同士みたいな感じに思ってる」
「そうなんだ・・・」
「なんつーかな。あいつは執事だし、一緒に戦うことはないけど、あいつになら背中を任せられる感覚・・・かな」
今まで、二人を見てきてそれはすごく感じた。
お互いに信頼し合っているんだって。
例えば本当に、ジルも騎士だったとして。
二人で戦えば、とてもいい連係プレイを見せてくれるんじゃないだろうか。
「でも、あいつはいつだって他人のため、主のためって自分を顧みない奴だから。お前に素直になれたのは、素直に嬉しいと思うよ」
「仕事人間だもんね、ジルは」
「それを、変えたお前は、すげぇと思う」
「ふふっ、それ、褒めてる?」
「褒めてるよ」
二人のその関係は、微笑ましくもあり羨ましくもある。
きっと私が入り込めない深いものなんだろうと思うから。