完璧執事の甘い罠
私がいいと思ってした選択が、全部自分を苦しめていく気がする。
幸せへの道だと思ってた道さえも、足元が崩れていくような。
幸せになれたと思った。
それはきっと、私が無知で周りが見えていなかっただけなんだ。
きっとジルはそれがわかってて。
きっと残り少ないこの時間を、私を喜ばせるために。
「・・・なんてネガティブなの、私」
ダリウスに行くと決めたのも、この傷をつけたのも全部自分自身。
その結果、いろんな人が傷ついて、大きな戦争までも起きようとしている。
王さまは、私のせいではないと言ったけど。
本当にそうなの?
私が、・・・そもそもこの世界に来たことこそが全ての元凶なんじゃないの・・・?
もしそうなら。
私はすべての結果を、甘んじて受けなくちゃいけない。
私の幸せの事なんて、後回しで。