完璧執事の甘い罠
「それは、どういう・・・」
「二人とも、事故で死んじゃったから」
「え・・・」
ジルが一瞬時が止まったかのように動きを止める。
表情のないジルの表情が一瞬だけど、陰ったような気がした。
ジル・・・?
「そう、・・・ですか。アリス様は・・・」
「え?なに・・・?」
「だから、死を選ぶのですか?お二人の元に行けるとでも?」
「っ!2人のいない世界なら生きていたってしかたな・・・」
バシンッ!
頰を張る音と頰の痛みに、叩かれたのだとゆっくり自覚する。
痛む頰に手を当て痛みを与えた人物に視線を向ける。
「そんなことを、お二人が喜ぶとでも思ってるんですか!?あなたがそんな風に命を蔑ろにすることを喜ぶとでも!?」
「っ、」
「もしそれで、本当にお二人の元に行けたとして、笑顔で迎えてもらえるとでも思ってるんですか?」
ジルの声が響く。