完璧執事の甘い罠


『その結果は、二人が出会えているという結果を見てもわかるように、合格。


ジルの悲しみに打ちひしがれる姿は、本当に見ている方が苦しくなるほどだったと王様が話しておられた。
ひな様がいないのなら、自分がここにいる意味はないと、執事の任からも退こうとしたようだね。


あのようなうろたえた感情をむき出しにするジルは初めて見たと言っておられた。



ジルの、ひな様への愛がよくわかった。
そして、とても酷いことをしてしまったと反省したよ。
申し訳ないことをした。許してほしい。


アルバーナの事も、シーエンの事ももう何も心配しなくてもいい。
キミたちはとてもよく貢献してくれた。


キミたちは、キミたち自身の幸せだけを願って生きていってほしいと思う。



そしていつか、ほとぼりが冷めた頃に幸せな二人の姿を見せてほしいと願うよ。




では、またいつか会える日まで。
エリック』



読み終えた頃には、涙がポロリと流れ落ちていた。
嬉しくて、幸せで、感謝しかなくて。


なんて暖かな人。
きっと、国を纏めるにふさわしいお方。



< 352 / 357 >

この作品をシェア

pagetop