完璧執事の甘い罠
いつだって完璧で厳しかったジル。
それでも、私を想ってくれる心は温かく優しかった。
そんなジルの、甘い甘い罠にきっと私はハマってしまったんだ。
厳しさの中に感じる優しさに。
まんまと引っかかってしまったの。
「ひな様・・・、いえ、ひなとの出会いは私を変えてくれました」
「え?」
「こんな風に、執事の仕事よりも大切だと思えるモノに出会えるなんて・・・。何よりも代えがたいかけがえのないお方に出会えるなんて。私は、本当に幸せ者ですね」
「ジルってそんな、甘い台詞吐く人だったっけ」
恥ずかしくって赤面する。
ジルは優しく笑って。
「私が変わったというのなら、変えたのは貴方ですよ」
甘い甘い台詞に。
甘い甘いあなた。
私、きっともう抜け出すことなんてできない。
世界一幸せだって胸を張って言えるから。