完璧執事の甘い罠
「ねぇ、このお城にはどれくらいの人がいるの?」
「は?騎士に使用人、執事とか、側近とかいろいろ合わせれば100人近くいるんじゃねぇの?」
「100人!?」
「下っ端とか全部合わせたらって話だ。王さまとかに直接かかわる仕事につけるのはもっと限られた人だな」
「そっか・・・」
私は普段、ジルとヨハン、それからノエルくらいしかこんな風に会話をすることはないけど、廊下を歩いてるとメイド服を着た女の人とかもよく見かけるし、見知らぬ男の人たちもたくさん見る。
名前も職種もわからない人たちだけど、同じ城の中にいる人たち。
同性の知り合いもできたらいいのにな・・・。
ノエルとは、なんとなく仲よくなれたような気がするけどやっぱり女友達だって欲しい。
ノエルは、私を姫として扱わないし、それが心地よくて一緒にいて楽だ。
それでもやっぱり、女同士の方が話しやすかったり相談しやすいことだってあるよね。
「あ、いけない。私もう行かなくちゃ。次のレッスンの時間だ」
「ああ、じゃあな」
「うん。またね!ノエルも訓練頑張って」
「ああ」
ノエルと別れ私は次のレッスンがあるホールまで向かう。
次は、苦手なダンスレッスン。