完璧執事の甘い罠
「いつまで這いつくばっているおつもりですか?」
「えっ、あ、はい!」
そう言われハッとして慌てて立ち上がる。
ジルはテキパキとワゴンをホールの隅のテーブルへと運ぶとお茶の用意を始めた。
休憩にしてくれるのかな?と私はそれについて歩き出す。
「・・・やればできるではありませんか」
「へ?・・・あ、あれ?」
テーブルのところまで無意識にたどり着く。
私、ヒールでここまでこれたんだ!
「食べ物につられて、というのは少し呆れたものですがね」
「う・・・」
「まぁ、できたことには変わりありませんね。次の段階へ移りましょうか」
「はい!」
「その前に、休憩です。お座りください」
「ありがとう」
私は素直に従い椅子に座る。
疲れは出ているのか、ふぅ、と息が漏れた。