完璧執事の甘い罠
Trap 2
優しい看病
姫として、認めてもらうために。
私はなにができるだろう。
「ヒールで歩けるようになったら次はどうしたらいいの?」
「姿勢を正しましょう」
そう言って、私に分厚い辞書のような本を渡す。
「これを頭に乗せ落とさず歩けるようになれば成功です」
「落とさず・・・か」
普通に歩いても落としそうなのに、ヒールを履いてだよね。
が、頑張ろう。
「まず、ヒールを脱いだ状態で、歩けるようになってからにしましょうか」
「はい。お願いします」
気合を入れ私はヒールを脱いだ。
綺麗な姿勢で歩けるようになったら少しは認めてもらえるかな。
そんな思いを抱きながらレッスンはスタートした。