完璧執事の甘い罠
「む、難しい・・・」
足がフルフルする。
頭もなんだか、ボーッとするし。
「休憩いたしますか?」
「まだ!まだ大丈夫‼︎」
「そうですか?では、ヒールなしでは多少見えるようになってきたのでヒールを履いてみましょうか」
ジルに言われて私はヒールを履いた。
ヒールで歩くことには慣れてきた。
前みたいに無様にこけることもほとんどない。
ヒールを履き、頭の上に本をのせる。
一度深呼吸をして、手を離した。
「視線をさげない!慎重になりすぎては意味がありません」
ジルの厳しい言葉か飛ぶ。
私は必死に前を向き足を前に前に。
もっと、もっと。
頑張って、頑張って・・・・。
「ひな様!!」
え・・・?
ぐわん、と世界が回ったと思ったらジルの叫び声。