完璧執事の甘い罠


「今日もつかれた」


頭の中には詰め込まれた知識と、身体にしみついてきたダンスの動き。
お風呂で体と頭をほぐしポカポカした身体で部屋に戻った。


毎日が、充実している。
自分の気持ちの持ちようで、こんなにも日々が変わっていくのか。



「明日も頑張ろう」



私の居場所を護るため。



ナイトドレスをひらりと舞わせ、乾かした髪を一つにまとめた。
ドレスを着るのにも、ようやく慣れてきた。

なにもかもが目新しいものばかり。
着慣れないモノに窮屈になったりもしたけど。


人は順応していくもの。
それを続けていけば、それが当たり前になっていくのだ。




カタカタ
窓の方から、物音が聞こえる。
なにかが窓にあたる音。


なんだろう・・・。
風で何かが飛ばされてきたのだろうか。



疑問に思いながら窓に近づく。



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