完璧執事の甘い罠
「あ、あなた誰!?どうしてこんな事・・・!」
「ククク、恨むなら、姫である自分自身を恨むんだな」
「え・・・」
「姫なんかになったばっかりに、こんな目に遭ってるんだからな」
男のあざ笑う声。
いったいどういう事・・・?
私が姫だからって・・・。
「それにしても、金ももらった上にこんな上玉好きにできるんだからな。最高の仕事だぜ」
「い、いや・・・。やめて・・・」
男の伸びた手が私の身体に触れる。
ゾワゾワ、と鳥肌が立つ。
恐怖に身体がガタガタと震え、必死に逃げようと足を動かした。
「無駄だぜ」
「っ」
ガシッ、と足を掴まれ強く引き戻される。
背中と縛られ固定されている腕が地面と擦れて痛みが走る。
「やぁ!」
「いくらでも叫びな!誰も来ねぇよ」
ケラケラと笑う声が耳に残る。
視界が遮られているせいで、恐怖が倍増する。
怖くて、怖くて、どうしようもない。