紅色の欠片

圭佑は、悠欄を前に緊張しているのか、悠
欄の言葉には、反応せずに固まっていた。


沙「ええそうよ。私の隣にいるのが、海藤
圭佑で、前に話した私の息子よ。そん
なことより、悠欄の娘さんはどこにいる
の?」


沙夜は、固まっている圭佑よりも娘の方が
気になるようで、圭佑の紹介をサクッと終
わらせ、悠欄に娘さんはどこかと聞いた。


実は、沙夜はずっと娘が欲しかったのだ。


沙夜の言葉で、圭佑はハッと、われにかえ
ったようだ。


われにかえった圭佑は、もう一度家のなか
を見渡してみた。


家のなかはとても広くて、床はとてもつる
つるでよく磨かれていることがわかる。


ちなみに、悠欄の家は洋風で靴のまま家の
なかに入れるようになっている。


そして、先ほどお出迎えしていたメイドや
執事達は、もうそこにはおらず、各自自分
の持ち場に戻ったのだとわかる。


だが、始めに圭佑達を案内してくれた爽弥
は悠欄と沙夜のそばにおり、圭佑と同い年
くらいであろう執事とメイドの二人はずっ
と壁際で、控えていた。
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