紅色の欠片
悠「ああ、由利亜のことかい?今は家にい
ないんだ。」
悠欄は、紗夜の問に答えると、壁際に控え
ていたメイドと執事の2人に問いかけた。
悠「せり、ゆう由利亜は、いつ頃帰ってくる
のか知ってるかい?」
今、悠欄に名前で呼ばれたメイドの方は、
九重 芹華(ここのえ せりか)といい、執
事の方は、聖川 優樹(ひじりかわ ゆう
き)という名前である。
優「申し訳ありません。旦那様。我々もい
つ頃帰ってくるかは、知らされていない
のです。」
芹「ですが、しばらくは帰ってこないと思
われます。それよりも、新婚旅行に行く
のではなかったのですか?」
優樹と芹華にも由利亜がいつ頃帰ってくる
かはわからないのだ。
だが、それよりも、最後の芹華の言った言
葉に沙夜は、驚いていた。
それを見た悠欄はしまったという顔をして
いた。
悠「すまない、沙夜。言おうとは思ってい
たんだが、言うのを忘れていた。今か
ら、新婚旅行に行かないか?」