紅色の欠片

その契約の方法は、我ら人類には、いまだ
にわからない。


吸血鬼のことに関して、自信をもって確実
に言えることは、昔々の大昔に、吸血鬼が
存在したということだけ。


たったこれだけなのだ。


だが、最近になって、新しい情報がはいっ
た。


吸血鬼たちの住む世界がそんざいしている
と。


吸血鬼たちには、純血の吸血鬼である王が
いるという情報とともに…。


また、この情報には、続きがあった。


吸血鬼の王には、娘がいると…。


その娘は、とても美しい姫で常日頃から、
無意識に人間とともに生きたいと口ずさん
でいるらしい。


そんな情報も、真実なのかをしるものは、
この人類にはいない。


ただ、吸血鬼だけが、知っていることだ。
< 2 / 12 >

この作品をシェア

pagetop