紅色の欠片
その契約の方法は、我ら人類には、いまだ
にわからない。
吸血鬼のことに関して、自信をもって確実
に言えることは、昔々の大昔に、吸血鬼が
存在したということだけ。
たったこれだけなのだ。
だが、最近になって、新しい情報がはいっ
た。
吸血鬼たちの住む世界がそんざいしている
と。
吸血鬼たちには、純血の吸血鬼である王が
いるという情報とともに…。
また、この情報には、続きがあった。
吸血鬼の王には、娘がいると…。
その娘は、とても美しい姫で常日頃から、
無意識に人間とともに生きたいと口ずさん
でいるらしい。
そんな情報も、真実なのかをしるものは、
この人類にはいない。
ただ、吸血鬼だけが、知っていることだ。