群青の恋愛事情
「美海…いい匂いする」
あたしのうなじに顔をうずめ、
くんくんしている犬みたいな
蒼空。
半分くらい読み終わって、
ちょっと相手してやるかな…
と思った。
そういえば静かだなー
ずっとあたしの首に
抱きついたままの蒼空に
顔をむけると、
小さく寝息をたてて
眠っていました。
「蒼空」
呼んでも起きません。
「そーら、」
いい加減、肩痛い。
ひとつため息をついて蒼空を、
ベッドの横を枕にさせるように
こてん、と寝かせた。
「……」
蒼空の寝顔は、
小さい子みたいに可愛い。
ほっぺをぷにぷにすると
んー……
って唸り出す。
「……可愛い」
こそっとケータイを出して、
パシャリと撮ってやった。
あたしの、最大の癒しです。
癒しby海