白い糸
それから、私は事故のことも話した。

「…そうなことが。」

今井君は言葉につまった。

「でもね、わずかに覚えていた記憶がきょー君と約束したことは憶えていたから、外科医になってまた日本に戻ってきたの。」

私の話を聞き、今井君は涙を流した。

「大丈夫?」

「うん、大丈夫。
なんか、嬉しくて…本当に嬉しくて…グス」

強気だった姿はない。
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