副社長は束縛ダーリン

彼女たちは三人とも、美人でスタイルもいい。

それなのに月とスッポンとは、言いすぎでしょう。

でも、私の心は素直に喜んでいる。

こうして守られると、彼の愛情が伝わってくるようで……。


三人のうち、ふたりはばつの悪そうな顔をして目を逸らしていた。

しかし、一番気の強そうなひとりが、敵意のこもる視線を悠馬さんにぶつけて、言い返そうと口を開きかける。


口論になれば、お店に迷惑をかけてしまう……。

そう心配する私のすぐ横で、「お客様」と声がした。

いつの間にか、黒いスーツ姿の中年男性店員が立っていて、その胸には『チーフマネージャー』というプレートがつけられている。


店員は一歩進み出て、彼女たちに言う。


「お会計は、こちらの男性がまとめてお支払いくださいました。どうぞ、そのままお帰りください。
そしてどうか、二度と来店せぬようお願い申し上げます。他のお客様をご不快にさせる方は、お断りしております」


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