副社長は束縛ダーリン
それから一時間ほど経ち、私は美しい夜景を、悠馬さんの自宅の寝室の窓から眺めていた。
高層マンションの二十階なので、光の粒が遠くまで広がっている様子がよく見える。
明日も平日で仕事があるけれど、アパートに帰らずにここに来たのは、私がもう少し一緒にいたいと思ったから……。
シャワーを浴びたての私が着ているのは、悠馬さんの大きなTシャツ一枚。
他に身につけているのは、今日プレゼントしてもらった、ハートとダイヤのネックレスだけ。
落ち着いた高級感の漂うこの部屋は、ベットランプのみを灯して薄暗く、そこに染み込んだ彼の香りを感じてドキドキしてしまう。
それは紛れもなく、私が彼に恋しているからだろう。
胸を高鳴らせて夜景を見ていると、後ろにドアが開いて、悠馬さんが入ってきた。
私の後にシャワーを浴びた彼は、腰にバスタオルのみを巻いた姿。
ベットランプの光で筋肉の陰影が際立ち、精悍で美しく見えていた。
窓辺に近づいてきた彼は、私の背を包むように抱きしめる。
胸の前に回された裸の腕と、肩にのる整った顔。
「朱梨」と呼ぶ声に、いつもより艶を感じて、私の体は芯から火照る。