副社長は束縛ダーリン
世の働く女性たちは、私より忙しそうだ。
私と同じように恵まれた環境にいると思われる見知らぬ女性が、五つ離れたロッカーを開けて先に着替えていた。
私も着替えを始める。
普通の白いTシャツに、スポーツ用のハーフパンツを穿こうとしている私に対し、彼女のフィットネスウェアは目立つものだった。
タンクトップを半分にしたような形状の、レモンイエローのトレーニング用ブラと、黒のロングタイツ。
ボディラインが際立ち、そのスタイルのよさに、思わず見とれてしまう。
身長は百七十センチ近くはありそうで、スリムなだけじゃなく、胸やお尻が形よくボリューミーで、私の理想の体型を見た思いでいた。
着替えを終えた彼女は、ウェーブのついた長いダークブラウンの髪を、ポニーテールに結わえていた。
着替えの手を止めて、ついつい見入っていたら、彼女と目が合い、クスリと笑われた。
「お尻、早くしまったほうがいいんじゃない?」