副社長は束縛ダーリン
腹筋することを忘れ、ベンチに寝転んだまま、私は考えの中に沈み込む。
早見さんが私を誘ったのがおもしろくなくて、彼の注意を自分に向けたかったのかな?
そうすると、彼女が早見さんに好意を抱いているように思えるけど、前回は邪険に扱ったようでもあるし、それは違う気がする。
じゃあ単に、私のことが気に入らなくて、邪魔してやろうということなのか……。
私としては、邪魔ではなくありがたい。
飲みに行こうという誘いを、断ろうとしていたところだったし。
しかし、初対面の人にあからさまな敵意をぶつけられたのは、これが人生二度目で戸惑うところ。
一度目は、誕生日のレストランで出会った、女性三人組だ。
私って、性別と年齢問わず、初対面の人とも仲よくできるタイプだと自負していたのに、最近はどうもおかしい。
素敵な悠馬さんの彼女が、こんな平凡な女だから、よく思われないのかな?
いや、レストランの女性たちはそうだろうけど、大人美人の彼女は違うよね。
悠馬さんのことも、私たちの交際についても知らないはずだから。