副社長は束縛ダーリン
そういうユッコは、半袖の白いブラウスに紺色チェックのベストとタイトスカートという、制服姿。
うちの会社の女子社員のほとんどは制服着用で、その枠から外れるのは、私のような開発部員と、外回りをする営業部の女子と、重役付きの秘書くらいだろう。
ユッコは私と同じ冷やし中華を食べていた。
でもサイズは違う。
彼女は普通サイズで、私はハーフサイズだ。
並んで麺を啜りながら、「ダイエット、頑張ってるんだ」とユッコが言う。
悠馬さんには秘密のその言葉を言われても、ここでは焦る必要がない。
彼は社食に来ないから。
お昼は取引先との会食付きの商談だったり、会議の前後に秘書が用意する軽食を口にして、それを昼食としたりと、忙しい彼のお昼は不規則だ。
だから用心することなく、ダイエットの状況を報告する。
「フィットネスクラブに通って、もうすぐ一ヶ月になるんだけど、体重はマイナス八百グラムだよ」
「一キロも減ってないじゃん」
「そうなの。でもね、それは筋肉がついたせいだと思うんだ。脂肪より筋肉の方が重いでしょ? 実質的には痩せてるはず」