副社長は束縛ダーリン

悠馬さんと交際を始めて有頂天になっていた私は、自分のことをいい女なのかもしれないと、勘違いしていた。

それを同期のみんなに話したら、否定されて笑われて、いい女ではなく、ちょうどいい女なのだと教えてもらったのだ。

悠馬さんと釣り合わない自分にやっと気づいたら、ショックを受けて、このままではいつか捨てられると不安になった。

だからいい女になるために、ダイエットを始め、仕事面でも活躍しなければと思うようになった。


それを悠馬さんに伝えたら、もう隠し事はない。

嘘をつかなくて済むのは心が軽くなる思いだが、その代わりに、格好悪い自分に落ち込みそうになる。


こんなはずじゃなかったのに。
失敗しちゃった……。


彼はフッと笑い、うつむく私の唇に優しいキスをくれた。


「悠馬さん……」

「俺は朱梨を、最高の恋人だと思ってるよ」

「あ、ありがとうございます。でも……」


嬉しい言葉をかけてもらっても、自信を失っている心には浸透していかない。

慰めの言葉に聞こえるだけだ。

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