副社長は束縛ダーリン
「当分の間、出社以外ひとりでの外出は禁止ね。買い物やレジャーは、俺と一緒に。友人とは不可」
「も、もしかして……監禁する気ですか?」
「人聞きの悪い言い方をしないで。軟禁だよ。長谷部とふたりで出かけた罰として、お仕置きすると言ったよね?
言いつけを破ったら、会社にも行かせないから」
ネクタイを結び終えた彼は、ソファーの後ろから近づいてきた。
冷や汗を流す私の真後ろに立つと、両腕を回して抱きしめてくる。
それから耳元に唇を寄せ、ゾクリとするほど色気のある声で囁いた。
「監禁か……。軟禁より楽しそうだね。約束、破ってもいいよ?」
まさか、本気じゃないよね……?
アハハと笑って楽しそうでもあるし。
でも、嫉妬深く独占欲の強い彼のことだから、やってもおかしくはない。
楽しそうな彼に合わせ、「なに言ってるんですか」と私も冗談めかして笑って見せるが、笑顔がぎこちないものになってしまう。
一度離れた彼は、ソファーを回って私の横に立つ。
これから出かけると言っていたはずなのに、急に瞳に色を灯して、私をゆっくりとソファーに押し倒した。