副社長は束縛ダーリン

私に覆い被さる彼に、「スーツが皺になっちゃいますよ?」と注意しても、「また着替えればいい」と言われただけだった。


締めたばかりのネクタイを、片手で器用に解く彼。

その仕草に色気を感じると、誘われるように私の芯が火照り出す。

まだ日も高いというのに、抱かれたい気分にさせられて……。


悠馬さんの首に両腕を回しかけようとしたら、両手首を掴まれ、彼の左手一本で、頭上にまとめて押さえつけられた。

妖艶に微笑む彼は、解いたネクタイを片手で弄びながら、甘い口調で私に問う。


「縛ってもいい?」

「ええっ!?」


私に毎日の報告メールを義務づけたり、スケジュールを把握しようとしたり、スマホをチェックしたり、悠馬さんが束縛するタイプの男性であることはよく知っている。

それでも、物理的にも縛るのが好きだとは、知らなかった……。


副社長でイケメンで頼りがいがあり、ひとりの女性を熱心に愛してくれて……非の打ち所のない彼だけど、少々変わった嗜好もあるみたい。

私の両手首を嬉々としてネクタイで縛る彼に胸を高鳴らせ、愛しいと感じている私も、変わった女なのかもしれないけれど……。


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