副社長は束縛ダーリン

この先、何年も何十年も、こういう朝を迎えられたらいいな……。

椅子に座りながら、ふと未来に想いを馳せて、ひとり、顔を赤らめる。

私ったら、なにを考えているの。

交際期間は一年にも満たないというのに、プロポーズを期待するのは早すぎる。


恥ずかしくなり、それをごまかしたくて、納豆の小鉢をものすごい速さで掻き混ぜていたら、茶碗を手に持つ悠馬さんに、「挽き割りにする気? 豆の原型がなくなるよ」と笑われた。

それから「なにを考えてた?」とも言われる。


「え?」

「朱梨が考えごとをしているときは、無駄な動きが多いから、すぐに分かる。やりたいことがあるなら言って。男が絡まないことなら、許可するよ」

「本当ですか!」


ひと月前、軟禁すると言われ、約束事も決められた。

通勤以外、ひとりでの外出は禁止で、買い物などは悠馬さんと一緒に。

長谷部くんの件で、すっかり信用をなくした私は、女友達と遊びに行くのも駄目だと言われていた。

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