副社長は束縛ダーリン

これまでも、それほど頻繁に友達と遊び歩く生活はしてこなかった私だが、禁止されると急に遊びに行きたくなるものだ。

その気持ちを我慢していたので、『許可するよ』との言葉に、納豆の小鉢を天井に掲げて「やったー!」と喜んだ。


「今週末、ユッコたちに遊びに行こうって連絡してみます。あ、出社してから、直接言いに行こうかな」


ウキウキしている私を悠馬さんは、キュウリの浅漬けを食べながら、目を細めて見ている。

でも、そこはやっぱり悠馬さんのことだから、「遊びに行くメンバーが決まったら報告して。出かけたときには、二時間おきの画像付き状況報告メールの送信を忘れないでね」と、注文はつけられた。


それに加えて、「アレも持たせるか」と、彼は席を立ち、テレビの横のサイドボードの引き出しを開けている。

なんだろう?と疑問に思う私のもとに戻ってくると、彼はテーブルに腕時計を置いた。

それはピンク色の子供っぽいデザインのデジタル腕時計で、私は戸惑う。

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