副社長は束縛ダーリン
そんなことを考えて、企画部にたどり着いた。
開けっ放しのドアの内側を覗くと、奥には机を八つずつ向かい合わせに並べた島が三つあり、手前には立ちミーティング用の丸いテーブルが置いてある。
その丸テーブルに向かって、男女五人が話し合っていて、その中にユッコの姿もあった。
まだ仕事中だったのね……。
状況を理解した私は、この場を後にするべく背を向けた。
週末の遊びの誘いは、やっぱりメールにしておこう。
そう思って足を踏み出すが、一歩目で、また足を止めることとなる。
聞こえてきたユッコたちの会話に、強い興味を引かれたからだ。
「どうする? 販促会は、もう明後日に迫ってるんだから、いい加減に決めないと。山田くん、やってよ」
「自分はちょっと……。そういう主任がやってはいかがですか?」
「俺は一昨年やったんだよ。二度目は勘弁。頼むから、誰か引き受けて」